Nuke 12.2 新機能紹介ビデオ(日本語字幕入り)

Nuke 12.2は、NukeでのUSDサポートを開始することによりパイプラインを次のレベルに引き上げ、SyncReviewでチームのリモートワークを支援し、フローティングライセンスのローミング機能でライセンスを外部に持ち出すことを可能にします。

 

Nuke 12.2 新機能

USD読み込みに対応

Nuke 12.2では、NukeでのUSD標準サポートが導入されました。これにより、アーティストはNukeのReadGeoノードを使用してUSDデータを読み取ることができ、改善されたシーングラフUIや、法線、色データ、アニメーション化されたジオメトリなどの対応により、USDに含まれるジオメトリを使用した作業が行えます。ReadGeoの拡張機能はオープンソース化され、スタジオはこれらのアップデートをカスタムUSDツールに統合できるようになります。

SyncReview(ベータ版)

リモートワークがこれまで以上に重要となっている今、Nuke 12.2でSyncReviewを初めて実装しました。チームへNuke Studio、Hiero、HieroPlayerの複数セッションを同期できる機能を提供し、複数拠点にいる2人以上のユーザーが共同でフッテージをレビューしたり注釈を付けたりすることを可能にします。ネットワークストレージやDropBoxのようなクラウドストレージに接続していても、ローカルファイルで作業していても、参加者全員がライブ再生とビューア操作、ソフトエフェクトパラメータ、バージョン間の切り替えにアクセスできます。さらに、プッシュ更新により、ユーザーはセッションを常に同期できます。ユーザー数と解像度は、ご使用されているハードウェアと帯域幅によってのみ制限されます。

この導入の結果として、Hiero Python APIが3つの主要分野に拡張されました。ビューアのコントロール、プロジェクトの読み込みと保存により、ワークフローをさらにカスタマイズできます。また、注釈やバージョン変更のような様々な領域にコールバックを追加しました。

フローティングライセンスのローミング機能

フローティングライセンスをお持ちのお客様は、期間限定のフローティングライセンスを「チェックアウト」できるようになりました。これにより、アーティストがオフラインで作業したり、ライセンスサーバーにアクセスしなくても簡単に作業できるようになります。ライセンスは最大30日間チェックアウトすることができ、現在のNuke、NukeX、Nuke Studio、Hieroのインタラクティブライセンスに対して利用できます。ローミング機能を有効にするにはRoaming Licenseが必要です。ライセンスの更新をご希望される場合は弊社までお問い合わせください。

新しいQuickTimeサポート

Nuke 12.2では、QuickTimeと連携するためのより安定したシステムを提供する新しいMOV ReaderとWriterを導入し、以前の32ビットと64ビットのQuickTimeの読み取りおよび書き込みサポートを、より安定したシステムと合理化されたUIに置き換えます。Windows、macOS、Linuxに対しアップデートされた高性能なH.264エンコーディングを含み、このアップデートはより広範なQuickTimeコーデックのサポートをオペレーティングシステムに組み込みます。

結果として、一部の古いQuickTimeコーデックのサポートは終了します。コーデックのサポートに関する詳細についてはリリースノート(英語)をご覧ください。

ファイル形式の追加サポート

DNxHRサポートの拡張

DNxHRをサポートする作業を継続して、DNxHR .movのエクスポート機能がNukeファミリーに追加され、DNxHR MXFの対応がNuke StudioとHieroに追加されました。これにより、タイムライン製品はNuke 12.1でNukeに追加された機能と同等になります。

カメラファイル形式のアップデート

RED SDKがバージョン7.3にアップデートされ、最新のKomodoカメラに対応します。関連SDK情報をReadノードに表示することから、REDのChroma Noise Reductionを使用した高度なオプションまで、REDフッテージのワークフローも改善されました。新しいIPP2カスタムモードでは、標準のIPP2画像パイプラインでは通常制御できないとされる色空間とガンマ曲線の完全なコントロールを提供します。
Sony SMDKのバージョンもアップグレードされました。

ACCエンコードされたオーディオのサポート

Nuke Studio、Hiero、HieroPlayerは、ACCエンコードされたオーディオトラックの読み取りと再生に対応します。Nuke 12.1では、オーディオを保持する.movコンテナの対応をLinuxとWindowsで提供し、オーディオを抽出して別のWavファイルとして読み込む必要がなくなりました。Foundry社では、レビューで使用されるオーディオトラックの大部分はACCコーデックを利用しているというフィードバックを受けました。

Nuke 12 新機能

ソフト選択

Soft Selection (ソフト選択)機能は、3Dビューア上のジオメトリやカードの操作を拡張します。Soft Selectionはジオメトリの頂点、フェース、エッジの選択に対してカスタマイズ可能なフォールオフを提供します。Nuke 11.3の投げ縄選択モードと組み合わせることで、この機能はプロジェクト設定用のジオメトリ編集、最終調整、または幾つもの3Dワークフローをさらに能率化します。

Edge Extend ノード

一般的なコンポジット作業用の新しいGPUアクセラレートノードの1つ、「Edge Extend」を搭載。Edge Extendはアーティストの日々のワークフローをスピードアップさせ、アルファの奥深くからピクセルを抽出するためにサンプル領域の浸食と拡張を可能にします。また、アーティファクトを発生させることなく、元のディテールやノイズを復元することが可能です。

Inpaint ノード

2つ目の新アクセラレートノードとして「Inpaint」ノードを導入。Inpaintノードは、詳細レベルをコントロールしたり、ソース画像の別部分または完全に別の画像から詳細を抽出しながら、Photoshopの修復ブラシのようにコンテキストペイントストロークを作成することが可能です。

Grid Warp Tracker

Grid Warp Trackerは、マッチムーブ、トラッカーワープ、そしてモーフの作成に役立つだけでなく、カスタム定義のグリッドシェイプ上をワープし、Smart Vectors を使ってグリッドを操作することができます。「To and From」グリッドワークフローでトラッキングデータをグリッド間で追加およびコピーすることを可能にしたため、元のデータを損失したりバックアップバージョンを作成したりすることなく再テストまたは修正を行うことができます。NukeX専用の機能として、より細かく調整するためにSmar Vectorsを使用してグリッド操作や複数グリッドの設定を行えます。

Cara VRノードをNukeXに統合

Cara VRノードの大部分をNukeXに統合しました。これには、VRやステレオワークフロー向けのGPU利用ツールの一式が含まれ、従来のカメラソルブとクリーンアップワークフローも強化されています。Cara VRのCamera Solverを使うことで複数カメラのセットアップが管理しやすくなり、アーティストは単一画像を生成するためのカスタムカメラセットアップとソルブの切り替えが容易に行えます。CameraIngestノードは、カメラをCamera Solverで使用するために、CGまたは他のパッケージからのインポートを簡易化します。この統合の一環として、Nuke、Nuke Studio、Hieroを含むNuke製品群がVR Headsetに対応します。

Nuke Studio、Hiero & HieroPlayer 再生パフォーマンス

今回のリリースには、Nuke製品群のタイムラインベースのツールに対してさらに高い安定した再生が見込めます。このアップデートは再生エンジンの新しいタイミングとロジックコントロールの結果であり、特に解像度とフレームレートが高い場合において、マルチチャンネルEXRを持つカラー管理ワークフローによる厳格なI/O要求に対して最適化されました。

インタラクティブなパフォーマンス

特に大規模な制作作業向けに、パフォーマンスの向上を図り、Nuke 12.0のソフトウェアを通じて様々な最適化を実施しています。主要な改善点の一つは、大きなプロジェクトにおいてよりスムーズな体験を提供し、1,000以上のノードを含むスクリプトで作業する際にUIの対話性を顕著に維持します。この恩恵はGroupsやLive Groupsにカプセル化された多数のノードを含むスクリプトにも反映され、かつ大規模なスクリプトに対する速い読み込みにつながります。

EXRの読み込みと書き込みパフォーマンス

EXRの読み込みと書き出しの両方のパフォーマンスを最適化しました。最大の改善点のいくつかは、PIZ、Zip16、DWAA、DWABなどの平面ベースの圧縮タイプを使用する際に見られ、ローカルディスクからでも、外部ネットワークからでも、ファイルの読み込みを高速化します。データの読み込みはパフォーマンスの大きなボトルネックになることがあり、インタラクティブなパフォーマンスに加えて読み込み速度を改善すると、スクリプトのレンダリング時に処理時間が短縮できます。

OCIOロールに対応

Nuke製品群はOCIOロールに対応しました。特定のカラースペースの別名としてカスタムロール名を設定することで、アーティストはどのLUTを使えば良いかを容易に把握することができ、プロジェクト間やスタジオ間でもスクリプトを共有しやすくなります。これまで通りすべてのカラースペースオプションにアクセスすることが可能なまま、ロールを使用することで、与えられた仕事のカラーワークフローを素早く理解することができます。また、エラーハンドリングを改善したことにより、アーティストが仕事を切り替える際に利用可能または使用するロールやLUTの処理ミスが無くなります。

業界標準とファイル形式のアップデート

Nuke 12.0はVFX Reference Platform 2019に対応しますので、NukeではQtおよびOpenEXRの最新バージョンを使用しているのが分かります。RED SDKはバージョン7.1にアップグレードされ、NukeとNukeXにおいてREDファイルに対するCUDAベースのGPUデコードのサポートが含まれます。Sony SDKバージョン3.3は、VENICEカメラのv4とX-OCN XTファイルの対応を追加します。BlackMagicおよびAJAのモニター出力カード用のSDKも最新メジャーバージョンにアップグレードされました。さらに、Nuke製品群はDNxHRでエンコードされた.mxfファイルの読み込みに対応しました。アップデートされた形式やGPU、オペレーティングシステムの対応に関する完全な詳細については、Tech Specsとリリースノートをご覧ください。

Nuke 11 新機能

Live Groups:新しい共同ワークフロー

この新しいタイプのグループノードは、アーティスト間で作業を共有するためにパワフルで新しい共同ワークフローを導入します。Live Groupは、途中の段階でレンダリングする必要なく、他のスクリプトで参照可能な外部スクリプトを作成します。他のアーティストのためにパラメータを表示させ、親のLive Groupを変更せずに調整することができます。Live Groupは、スクリプトが読み込まれる時に自動的に更新するため、アーティストは容易にショットやプロジェクトの異なるセクションを同時に作業することができます。

Nuke: 効率性の改善とその他

Nuke StudioのFrame Serverのバックグラウンドレンダリング機能がNukeおよびNukeXでも使用できるようになり、ユーザーはUIでの作業を継続しつつ、バックグラウンドでレンダリングを行うためにローカルマシン上のリソースを使うことができます。改良されたDenoiseは、複数の平行な線がある領域のノイズを除去するときにブラーを減らすというように、素晴らしいディテールを保持しつつより正確な結果を生成できるようになりました。また、チュートリアルと制作事例とともに、一般的なセットアップおよびパーティクル用にノードツールセットが拡張され、新しいNukeのユーザーがより素早く準備できるようになります。

NukeX: 新しいLens Distortionとその他

LensDistortionノードが完全に改良され、より多彩なレンズディストーションのツールセットにより、ユーザーはより広範囲のレンズをより良い結果で解析できます。今回の更新には、複数のフレームを参照できる機能、魚眼および広角レンズのサポート、他のレンズ評価パッケージからのデータのインポートの改良、GPUアクセラレーションが含まれています。パワフルなSmart Vectorツールセットは、レンダーファームまたはFrame Serverを使用してベクターを生成する機能や、小さな歪みにブラーをかけるオプションが更新され、ツールセットはフレームのより長い範囲でより高速かつより効率的になります。

Nuke Studio: より複雑な作業

Nuke Studioは、フッテージ、ソフトエフェクト、トラックブレンディングを含むシーケンスの一部または全てをよりスムーズに再生するためにキャッシュ化する、新しいGPUアクセラレートディスクキャッシングが搭載されました。よりスペックの高くないマシン上で作業を行っているユーザーや、全てをローカライズすることを望まないが、RAMキャッシュには大きすぎるタイムラインで作業しているユーザーに最適です。インポートしたAAFファイルからのノンリニアなリタイムは、Nuke StudioおよびHieroでは自動的にソフトエフェクトとして再生されるようになったので、ユーザーは手動でこれを再設定する必要はありません。

パイプライン & 業界標準への更新

Nukeファミリーは、他のソフトウェアパッケージ間の非互換性を解消するための業界基準ガイドラインVFX Reference Platform 2017へと更新されました。これは、Nukeを常に最新の状態に保ち、VFXパイプラインへの容易な統合を可能にする、非常に重要な部分です。これらの更新には、Python、PysideおよびQtを含むNuke内部で使用される幾つかの重要なライブラリが含まれています。コアとなるコンポーネントの更新に加え、様々なサードパーティのライブラリやARRIやRED向けのカメラ形式のSDKもアップグレードしました。

AMD GPUサポートの拡張

NukeのOpenCLサポートが、WindowsおよびLinux OSへ拡張されました。その結果、特定のAMD GPUがNukeと互換性を持つようになり、ユーザーが使用するハードウェアに対してより多くの選択肢を与えられます。詳細は、Tech Specsページ(英語)をご確認下さい。

Nuke Studio認定ハードウェア

HP Z840システムおよびNVIDIA P6000を基本構成として、Nuke 11.0と互換性のあるNuke Studio用の新しい認定プラットフォームがあります。このシステムは、安定したドライブスピードの確保とNuke Studioをを最大限に引き出すために最適化されたハードウエア構成を記載しています。詳細は、Tech Specsページ(英語)をご確認下さい。