CARA VR 2.0 主要な新機能

改善されたスティッチングツール 360°マッチムーブと安定化 ステレオ補正用のOculaツール 2.0 新機能一覧

改善されたスティッチングツール

新しいGlobalWarpノードは、ゴーストを最小限に抑えて高品質の360°映像のスティッチを作成し、スティッチングを高速化します。GlobalWarpは、重複する領域での主要な特徴点を揃えるためのコントロールを追加し、複数のカメラビューに重なっているオブジェクトの場合でも、コンストレインを追加してレクトリニアの入力画像内にある既知の直線のゆがみを軽減することができます。

360°映像のマッチムーブとスタビライズ

Cara VRのTrackerノードは、より快適なVR体験とより簡単な3Dエレメントの配置のために、スタビライズとマッチムーブの処理を簡素化および加速化するように再設計されました。新しいTrackerは、自動トラッキングと360°映像のスティッチへのスタビライズを追加しました。既存のユーザーが定義するトラックのワークフローを使用してトラッキングを改良したり、スタビライズで特定の領域を固定することができます。

ステレオ映像補正用のOculaツール

Cara VR 2.0には、特にビュー間の色、フォーカス、配置に不一致があるフッテージにおいて、ステレオ映像のクリーンアップ作業の悩みを取り除いてくれるパワフルなOculaツールセットから継承された、ツール一式が含まれています。今回のリリースには、深度推定用のハイクオリティな視差ベクトルを生成するDisparity Generatorノードの更新バージョン、視差ベクトルから深度を計算するためのDisparity To Depth、左と右のビューのカラーを統一するための新しいStereo Colour Matcher、一方のビューからもう一方のビューを再構築することができるNew Viewが含まれており、360°のフッテージで使用するために全て最適化されました。


C_GlobalWarp

新しいC_GlobalWarpノードが追加されました。C_CameraSolverから渡されたメタデータを使用してプレビュースティッチを素早く生成し、重複する領域でのゴーストを最小限に抑えるのに役立ちます。C_GlobalWarpは、主要な特徴点を揃えるためにスティッチを調整するコントロールを追加し、コンストレインを追加してレクトリニアの入力画像内にある既知の直線のゆがみを軽減することができます。

詳細については、C_GlobalWarpをご参照ください。


C_Tracker

C_Trackerは、スタビライズとマッチムーブ処理を簡素化および加速化するように再設計されました。C_Trackerは、利用可能なGPUがあればGPU上で実行され、360°映像のスティッチでの自動トラッキングを追加します。そして、既存のユーザー定義のトラックワークフローを使用してスタビライズで特定の領域を固定することができます。

詳細については、C_Trackerをご参照ください。


C_DisparityGenerator

C_DisparityGeneratorは、Oculaの視差ベクトルの質をCaraVRで利用するために書き直されました。CaraVRには、視差を深度マップに変換するために設計されたC_DisparityToDepthというギズモツールが追加されています。深度マップは、シーンに3Dオブジェクトを配置するときの合成を行う際に便利です。

詳細については、C_DisparityGeneratorをご参照ください。


C_NewView

立体視のスティッチングにおいて360°映像の補正を簡易化そして加速するために、新しいC_NewViewノードが追加されました。C_NewViewは、C_DisparityGeneratorノードからの改善された視差ベクトルを組み込むことで、Oculaのビュー再構築の質をCaraVRにもたらします。更にC_NewViewは、一対のステレオカメラのオクルージョンを自動的に計算します。

詳細については、C_NewViewをご参照ください。


C_StereoColourMatcher

快適な鑑賞体験を実現するために、左右のステレオ表示が一貫していることを保証するための新しいC_StereoColourMatcherが追加されました。C_StereoColourMatcherは、C_DisparityGeneratorノードからの改善された視差ベクトルを組み込むことで、Oculaのカラーマッチングの質をCaraVRにもたらします。更にC_StereoColourMatchは、一対のステレオカメラのオクルージョンを自動的に計算します。

詳細については、C_StereoColurMatcherをご参照ください。


CARA VR 主要機能

カメラリグの解決 スティッチ 修正&カラーマッチ 360°トラッキング&安定化 VRコンポジットワークフロー
360°立体レンダリング&スリットスキャンシェーダ ヘッドセットでのレビュー

カメラリグの解決

NUKE内のカメラの位置、回転、焦点距離、レンズ歪み補正パラメータを簡単に解決し、改善します。Freedom 360 や Nokia OZOを含む一般的なカメラリグ用のプリセットを搭載しているだけでなく、カスタムカメラリグにも対応しているので、CARA VR™はあらゆる360°のフッテージをも扱うことができます。

スティッチ

CARA VRのGPUの加速化Stitcherを使用すると、NUKE内で単一およびステレオ出力の両方ともに高品質な360°スティッチを作成することができます。OCULAの表示テクノロジーを基に構築されたCARA VRは、ムービーシーンであっても、ラインやゴーストといった画像の乱れが生じないシームレスなスティッチを作成します。必要であれば個々のカメラビュー上で手動調整を行うためにスティッチを分離させ、即座にSTMapおよびUVマップをエクスポートし、アーティスト間でスティッチの設定内容を簡単に共有できます。

修正およびカラーマッチ

オート露光設定または環境ライティングは、カメラ間の露光およびホワイトバランスに差異が生じる原因となることがあり、結果的に視覚的なミスマッチで悩まされることになります。CARA VRを使用すれば、スティッチ処理中に自動的にこれらの差異を修正し、最低限の手作業調整で全てのカメラに対して一つの露光を生成します。露光が統一されれば、例えばゲイン(gain)の変化を時間の経過とともにアニメーションさせることで、微細なライティングエフェクトを生成することができます。

360°トラッキングおよび安定化

緯度/経度画像(lat/long image)の端のゆがみと連続性を処理するために最適化された専用の特徴点トラッカーを使用すれば、スティッチした360°フッテージ上でトラック、ペイント、あるいは直接マージすることができます。クオリティに妥協することなくより快適でダイナミックなVR体験を制作するためには、過度な動きを除去するためにスティッチ作業中あるいはスティッチ作業後に、フッテージのトラックおよび安定化を行って下さい。NUKEのCamera Trackerを用いたデータの安定化は、ワークフローの一部としても使用することができます。

VRコンポジットワークフロー

CARA VRは、迅速なロト、ペイント、トラックを可能にするノードツールセットを含むNUKE全機能のコンポジットツールを、360°マテリアル上で直接使用できる機能を搭載したことによってコンポジット作業をスピードアップする、GPUでの加速化ツールキットを提供します。新しいSpherical Transformノードは、レクトリニア 、緯度/経度、キューブマップ、魚眼投影を使用した作業を可能にし、いつでもこれらのモード間を切り替えられ、デリバリー用に選択した形式でエクスポートすることができます。さらに、360°マテリアル全体に対して、畳みこみあるいはブラーエフェクトを適用させることができます。

360°立体レンダリングおよびスリットスキャンシェーダ

CARA VRに搭載されているNUKEのレイトレースレンダリングエンジンのバージョンは、360°フッテージ内の極点でデプスをコントロールすることができるスリットスキャンシェーダと合わせて、立体レンズモデルも追加で対応しており、結果的に見上げた時や見下ろした時により心地の良いVRのビューを体験することができます。デプスの減衰は、共通のスティッチおよびレンダリングパターンにマッチするようにコントロールすることができ、ポストパイプライン全体で確実に一定の結果を生成します。

ヘッドセットでのレビュー

一般的なVRヘッドセットに対応しているため、プロジェクトをNUKEのビューア内やNUKE STUDIOのタイムラインから再生する際に別のレビューアプリケーションにエクスポートすることなくプレビューすることができます。CARA VRは、Windows上でHTC ViveおよびOculus Rift CV1、そしてWindows、MacおよびLinuxOS上でOculus Rift DK2にも対応しています。