Krakatoa 製品概要
Krakatoa(クラカトア)とは、米Thinkbox Software社により開発されたパーティクル操作・管理・粒子ベースボリュームレンダリング3ds Maxプラグインです。
Krakatoaでは、ほこり、煙、ドロ、海の泡などの自然現象、ソリッドオブジェクトまで、大量なパーティクル データの読み込み、操作、そしてレンダリングをこれまでのない速さで実現します。
Krakatoaはパーティクルフロー(3ds Maxに搭載している強力なイベントドリブンパーティクルシステム)に組み込まれ、他社製のパーティクルシステムとのデータのやり取りを可能にしています。
Krakatoaのレンダリング機能は3ds Maxの標準搭載マップとマテリアルを用いたシェーディング、テクスチャ塗りに対応し、被写界深度、モーションブラー効果を扱うこともできます。パーティクルの自己シャドウイング、実写合成用のマットマテリアルを適用したオブジェクトとの影の掛け合いが可能のほか、APME(周囲媒体による光の減衰)シミュレーション機能により、大気や水中における光と色の変化を再現することができます。
Krakatoaにおけるパーティクル操作には、おなじみのベンド、ツイスト、パス変形、ラティスなどの変形モディファイヤーとスペースワープでパーティクルを操ることができ、任意の形をしたオブジェクトで不要なパーティクルを確実に締め出すこともできます。

締め出しオブジェクト(球体)を用いてチーズに穴を開けます。
パーティクルの管理面では、Krakatoaは独特なパーティクル区割り手法を用いたシステムにより3ds Maxにおけるメモリ使用量の制限を越えて、何百万のパーティクルを扱うことを実現します。データ互換性を保つには、コンパクトで扱いやすい、そしてオープンなThinkbox Software社パーティクルデータ形式.PRTのほか、NextLimit社のRealFlowバージョン3とバージョン4より書き出した.BINデータも対応しています。さらに、シミュレーションデータをカンマ区切り形式.CSVへの読み書きが可能なので、テキストデータを読み込めるソフトウェアとのデータのやり取りを可能にします。
Krakatoaから書き出したパーティクルデータはKrakatoaのParticle Loader(パーティクル ローダー)オブジェクトで3ds Maxに読み込み、またKrakatoaのFile Birth(ファイル バース)とFile Position(ファイル ポジション)機能によりパーティクル フローに取り込むことができます。パーティクルデータの流れを保つことにより、異なるパーティクルシステム間に繋がるパイプラインを築くことができます。
Krakatoaは作り込まれたプリセットとヒストリー機能を提供します。Krakatoaのユーザインターフェースでレンダリングした画像のサムネールが自動的に生成、整理され、その画像に設定された情報が記録されることによって、レンダリング結果のプレビュー、比較、同じ質感を作り出すことに重宝します。
また、Thinkbox Softwareのプロダクション ネットワーク管理製品Deadline(デッドライン)に組み合わせることにより、Krakatoaのパーティクル演算、レンダリング処理を複数のマシンに分散することができます。
動作検証によると、Windowsの64-bit環境におけるメモリ使用量の最適化により、それを充分利用したKrakatoaは3ds Max 9 64-bitをインストールしたWindows XP 64-bit環境で32-bit環境より2倍速くなるという実績があります。
KrakatoaはBryan Singer監督の『Superman Returns』(2006)の制作では、劇中のクリプトナイト効果と水中シーンのVFXカットに使用されました。現在、『マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋』などの制作に採用されています。
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